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福の神丸体験レポート

東京都 中央防波堤 

2001年6月14日(水)
オープン前から評判の高い”爆釣チャーター便”「福の神丸」
以前より、”知る人ぞ知る”噂のシークレットフィールドです。
新木場から東京のウォ−ターフロントに広がる中央防波堤周りが主な釣り場で、
それこそ時期になれば黒鯛の2桁なんて当たり前、シーバスも嫌になる位HITすると聞き、
落とし込みはまるで
”ド素人”のくらげ仙人がお邪魔する事になりました。
さて、どんな事になるやら・・・・・・・・・


取材当日、AM3:00に起床してみると予報通りかなりの雨脚・・
こんな時に限って天気予報が良く当るような気がするのは何故?

家を出て首都高速に入った頃には、フロントガラスにかなり大粒の雨が音を立てて当るようになった。
早朝なので、いつも渋滞しているレインボーブリッジから湾岸線も難なく通過、
20分ほどドライブした所で待ち合わせの新木場へ到着する。
なるほど、これは近い。
東京在住のくらげ仙人にとっては、まさに灯台下暗しの感。
へぇ〜・・こんな所に黒鯛の楽園が?・・・と思いながら近代化された東京港を眺める。
良い具合に夜は明けてきた。

程なく雨中にyosiさんの車を発見、合流して説明を受ける。
yosiさん(Advisory staff) は福の神丸の田村船長の友人でもあり、
この釣り場を熟知しているので、今日のガイド兼ご教授役をお願いしている。

同行の楽布団さん(Advisory staff) も合流した頃、既に到着していた田村船長と初のご対面、
田村船長はとても気さくに我々を迎えてくれた。
挨拶を済ませ早速乗船の準備。
雨脚は相変わらず強く、SHIMANOのゴアテックスだけでは不安なので、
ジャケットの下にもビニールのカッパを着て対処する事にした。

東千石橋近くから出船した「福の神丸」は木場の貯木場や、若洲運河付近を眺めつつ快適に走り、
活気付く前の東京港を垣間見る。
普段、沖磯をフィールドとしているくらげ仙人にはなんとも妙で、異次元の世界の様に感じてしまう・・・
木材を積んだ韓国船、タグボート・・・・・作業前の暫しの沈黙だ。

ふと我に返ると、最初のポイントに到着していた。
まったく初めてなのでここが何と言うポイントなのかも分からない。
ただ、岸壁沿いに牡蠣殻やカラス貝がしっかりと付き、いかにも黒鯛が付きそうな所。
ここを船で流しながら落とし込んで釣るのである。

さてさて・・・いよいよ黒鯛釣りの達人でもある田村船長からひと通りのレクチャーを受ける。
田村船長はド素人のくらげ仙人に対しても、親切にかつ正確にこの釣りのノウハウを教えてくれるが、
こちらはまるで”借りてきた猫”、どこまで船長の説明が理解できたやら・・・・・・心もとないものだ。

餌のボサエビの付け方を聞き実践するも、なかなか船長の様に上手くいかない、
この餌の付け方ひとつで、釣果はかなり変わってしまうとのこと。教えて頂いたのは「餌はマメに交換」である。
短竿を握って岸壁ギリギリに落とすのだが、これがなかなか上手くいかないのだ。
船はさほど揺れないが、どうも足が地に付いていないせいか、日頃の調子が出ない・・・・

「昨日はここでいきなり喰ったのにね〜」と田村船長。
そこで模範実技を暫く見学。

その直後、yosiさんにフッコがHIT、さすがに慣れているので動きが流麗だ。
yosiさんの落とし方を見ていると、仕掛けを岸壁にぶつける様に投入しているので、なんとなく真似ては見るものの、
これが・・・またまた上手くいかない。根掛かりも怖いし・・・・・
見かねた船長が色々と適切なアドバイスをしてくれる。

舳先で始めた楽布団さんがフッコを掛ける。なんと、合わせ切れ。やっぱり長竿のようにはいかないみたい。
いつも見ている楽布団さんと何処かが違う・・・
きっとくらげ仙人と同じように”借りてきた猫”状態なのだろうと、内心ホッとする。

次にまた楽布団さんが掛ける。これもフッコだ。
さすがに同じテツは踏まない楽布団さん、難なく取り込む。・・・くらげ仙人はこの時点で まだ ”ボ”

さて、船長曰く”前日よりかなり潮が澄んでしまった”らしい。
そこで、次なるポイントへ移動する。
さっきより沖に出たらしく、潮がやや早く波も大きい。
従って、船首の釣り人はなるべく遠投、2番目の釣り人の投入場所を確保するように配慮する。
これがこの船落としのルールのようだ。
そうしながら交互に探っていくと、私の仕掛けを見ていた船長、「当たりですよっ!」
「ん?」
なんだか良く分からないがフッコが食っていた。
短竿なので引きが強く、ダイレクトに伝わってくる・・・小型だったので何とか取れた。こいつは放流。

とにかくも初体験のフッコ、嬉しい様な 変な感じ????

この場所も一流しして移動。
楽布団さんをテトラ堤防に一人置いて、我々3人は通称”毒水”へ。
名前が凄いのでどんな場所か興味深々である。(皆さん行ってのお楽しみ)

この頃から仕掛けを投入するのも慣れてきたのか、やや思った場所に入るようになったので、
じ〜っと仕掛けを凝視する。
何投目かに落とした仕掛けが入っていかない・・・試しに合わせてみるとまたフッコが喰っていた。
yosiさんから「まだ合わせがキツイね〜」とアドバイス。
船首に陣取らせて頂いたくらげ仙人に続けて当たり、フッコが次々に掛かって来るが、半分位はバレてしまう。
船長に申し訳ないと思うが、腕ばかりはいかんともし難く”へぼ”丸出し。

しかし・・その”へぼ”でも次々にフッコが釣れる。恐るべき魚影・・・
人間、身のほど知らずというか贅沢というか、ついにフッコでなく”黒鯛”が釣りたくなってしまった。
「なぁ〜んだ、フッコか」である。

船長の判断は早く、食いそうも無い場所は即、移動。
経験に裏打ちされた読みは見事としか言いようが無い・・・・・・

次に移動した場所はケーソンの様なコンクリートが建ち並ぶ場所、ここでは何故か緊張が走った。
カラス貝がビッシリと付いた岸壁を船はゆっくりと流して行く。ここでもフッコが頻繁に当たる。
その時、yosiさんの竿がフッコと違う曲がりをした。
今日初の黒鯛は49cm。さすがである。

いかに落とし込みヘボとは言え、一応黒鯛師のはしくれである”くらげ仙人”これを見て血が騒いだ。

そして2,3分後、50cmほどハリスが入った所で仕掛けが止まった。
ヘチギリギリだったので牡蠣殻かカラス貝に引っ掛かったと思い、引っ張ってみると
ボサエビの上半身がスパッと齧られていた。

これは”ヘボ”でも判る黒鯛の仕業。  割と悔しい。
しかし、こんな浅ダナで黒鯛が食うとは・・・・・・・・・・

テトラに置いてきた楽布団さんを船に乗せ、また別のポイントへ来た。
水深1ヒロ程度の場所という事で、潮色も割合澄んでいる。
ここで一休み・・・と思った時、yosiさんがまた黒鯛を掛けた。これが
55・5cmぞろ目の大型だった。
昼食もそこそこに私も仕掛けを入れる・・身の程知らずもいい加減にすればよいものを・・・
直後、沈んで行くハリスがピッ・・と入った。
解っちゃいるものの強く合わせてしまう・・
今度の奴は今までの奴より引きが遥かに強い。習性で竿で溜めてしまう・・
木製のタイコリールがそれでも逆転、手が痛い・・・
目の前でスズキクラスが浮いて来たがすぐに突っ込まれ、竿が真っ直ぐになって2号ハリスが切れてしまった。

風雨が強まり、そろそろ上がろう・・と言う時になって、下着まで雨が浸透している事に気がついた。

この日はyosiさんだけが2枚黒鯛の型を見たが、まだ時期尚早。
船長は我々の面倒を見てくれて、自分では釣りができなかったのと、
ゴリゴリの浮き釣り師である、楽布団さんとくらげ仙人では、釣果の参考にはならない。
但し、前日は3人(落とし込み釣り師)で8枚の黒鯛を釣っている。

7月の盛期に入れば、そこここに黒鯛の遊泳する姿が見えるという。
そんな時の釣れっぷりは掟破りだろう・・・・・黒鯛釣りの認識が変わってしまいそうだ。
噂は本当だった。

終日 本降りの雨の中、私にとって収穫は降り続く雨を凌駕した。
黒鯛は釣れなかったものの、充実した一日を過ごせた。
理由は、田村船長の豊富な体験に基づく話を伺えた事と、
そのお人柄に拠るものが大きかったと思う。

                                         くらげ仙人 記

                                         取材協力 「東京港福の神丸」 

yosi さんと田村船長

早朝の新木場