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■スイカ釣りの薦め

●スイカ釣り概説

黒鯛のスイカ釣りについては古くから三浦、房総地区、近年では能登や佐渡、また東北の一部でも行われ、
そのエリアは次第に広がりつつある。
季節的にはおおむね水温が23度以上で安定する夏〜秋ではあるが、
関東の記録として5月中旬、11月初旬の釣果もあることから、条件さえ合えば高水温期意外でも口を使う。
また、この釣りの外道や、餌取りには「フグ」「サンノジ」「アイゴ」「小メジナ」「シマダイ」「ベラ」「スズメダイ」
そして稀に「ボラ」など、磯で釣れる魚の大半が名を連ねる。

三浦、外房などではスイカ畑が多く、売り物にならない”うらなり”のスイカを海に捨てていた所、
そのスイカに黒鯛が餌付けされたとか、海水浴客が食べ残したスイカに餌付いた・・とか、諸々の解釈がある。
スイカを餌にして黒鯛を釣った事の無い人にはなかなか実感が湧かないと思うが、高水温のこの時期、
日中に大型が釣れるのは、大変貴重でありまた、効果的な釣りと言える。

●スイカ釣りの仕掛け

■ロッド
竿は通常の浮きフカセ同様、1号〜1・5号までの磯竿。
特に特別なものは必要ではないが、やや先調子の5m〜5・4m程度の竿が使いやすい。

■ライン
狙うフィールドにも拠るが、おおむねフロート系、サスペンド系の2.5号〜3号程度。
見やすいものが良い。

■ハリス
通常は2号。穏やかな場所を狙う場合は1・5号も使う事がある。
一般的にガン玉は打たないのでフロロカーボン系がお勧め。

■ウキ
通常は1ヒロ〜2ヒロ程度の浅場を狙う為、遠投の利く 00〜2Bまでの円錐ウキ。
感度より見易さ、潮乗りの良さを優先して選択。

■ハリ
3号程度のチヌ系のハリで、ヒネリがあったほうが餌付けには重宝する。
また、オーナーから出ている「オキアミチヌWケン付き」は軸の部分にケンが付いているので、
遠投時にもスイカがずれにくい。


■その他

ハリスにガン玉はまず打たないので、ハリの重りとスイカの比重でタナをサスペンドさせる。
ポイントは遠めになる事も多く、なるべくコマセのスイカと同調させる為、浮きは風の影響を受けにくいようにする。
また、根を知るならば浮き止めも必要は無い。
00+ハリス浮きの仕掛けも大変有効であるが、仕掛け全体があまり沈まないように調整が必要だ。
砂糖漬けしたスイカの比重は意外に大きいものである。

また、チャランボ、磯足袋はあると大変便利。

●スイカ釣法

現在関東地区では”ポカン釣り”という釣方はまず、行わない。
それは以前のようにいわゆる
”ハネ”と呼ばれる”モジリ”が出にくくなったからである。
従って、浮き下(タナ)は水深にかかわらず、その日の水温、濁り、波によって決めるが、
これにはかなりの経験が必要で、一概には言えない。
あえて目安としてあげるなら、朝夕は浅め、日中はやや深い。
人が少なく静かな場所では浅く、近く。
人が多く、付近に喧騒(海水浴場)があるなら沖目、根回り、ややタナを取る・・・という事である。

また、水深があり、冬にはメジナ釣り場になる場所はおおむねこの釣りには適さず、
人の少ない無名の小磯、干潮時に露出する磯の先端、
また、潮通しの良いワンド入り口付近、海産物工場の排水溝付近等、
混雑を避けられる釣り座に妙味がある。

こんな磯よりも・・・


こんな場所がいい



水温は23度〜26度の間が最適で、外房や南房の場合は沖から吹く海風(南よりの風)より、
陸風が有利である。
条件としては湾奥の潮が出て行く時が水温が上がる傾向にあり、
夕マズメと重なればこの釣りとしては好条件。
従って風向きと潮の流れ・・・これが重要なファクターとなる。

磯の先端、もしくは潮が出てゆく場所を選び、少しづつ際からコマセを入れてゆく。
潮が効いていれば小魚やアイゴ、サンノジが比較的早く反応するので、水面に波紋が見える筈だ。
磯際から離れ静かに仕掛けを入れて、コマセ同調の要領で流して行けば、早めに結果が出る。
クロダイが居なければ、あまり粘らず次の場所を狙うのも手。

南房総地区では実績のある場所は浅場の溝周りが多いようだ。
コマセで寄せる釣り・・と言うより、磯に徘徊するクロダイを釣る釣りなので、
なるべく人が攻めていない場所を選択することが先決で、
毎日オキアミのコマセが入る場所での実績は乏しい。

●コマセ
スイカ用配合餌が数種発売されたが、これは試していないので未知数。
ここではとりあえず従来の作り方を紹介する。

1.
スイカ一個(大)の中身を繰り出し、手で細かく潰す。
2.市販の白砂糖を300グラム程度混ぜる。
3.”つなぎ”として、パン粉をまぶす。(コマセ柄杓でまとまる程度)

注意点として、3は自分的に行っているもので、他の方法もあるかと思うが、
一般の配合餌(チヌパワー)等で”つなぎ”にしても良いようだ。
もし、市販の”スイカ用配合餌”が手に入ればこれを使って見ても良いと思う。
スイカは砂糖をまぶすと浸透圧?で水分がかなり出てくるが、
つなぎを使わないと向かい風の時など、非常に撒き難く、せっかくのスイカエキスが無駄となる。

●付け餌

スイカ 切る 皮をむく

刻む 砂糖まぶし タッパーで冷蔵庫へ

使用する砂糖は上白糖でも良いが、三温糖があればGOOD。
タッパーに入れて冷蔵庫で一昼夜寝かすが、何度か水抜きをしてやると良い。
付け餌としては、皮に近い部分などと言われているが、実際は繊維の密集する中心部が良く、
比重も甘味も大きい。
砂糖漬けした中心部はゼリー状になり、遠投してもめったに落ちない。



●ポイント
前述したように、人の少ない浅場の磯が主。
凪日和は沖の沈み根周りから動かない事も有るので、超遠投も必要となる。
ポイントを直接狙わず、仕掛けは沖から引いてくる。
但し、当たり前ではあるが近くにクロダイがいる事が条件。
干潮時のみ狙う場所と常時狙える場所とに大別できる。
台風接近時などは漁港のすぐ脇の小磯、港内でも釣れる事があるので、
気象と相談の上、けっして無理はしないよう、慎重に行動しよう。


●主なスイカ釣り場

新兵衛イケス下 
吉尾港 

実入りの磯 
川脇の磯 
浜荻磯 

白子港
瀬戸川河口
千倉ホテル下
平館プール下
忽戸港
川口プール下
平磯港
千田磯
海風下
大川港

相の浜港 
布良灯台下
根本港 
平床 
ドンドン 
砂取港 
坊田海岸
川下港
小戸港 
向タタミ島 
トガリ島 
原港 
塩浦港
塩浦湾 
ヤマキ下
乙浜港 
ガン島付近

洲崎北港 
洲崎西港 
西川名港