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■房総半島の黒鯛釣り概略

大きく分けて東京湾に面した「内房」と黒潮に近く、外洋の影響を受けやすい「南房」
そして、魚場の多い「外房」の3つに分かれています。

【内房地区】
黒鯛釣りに関しての歴史は古く、稚魚である”チンチン”を正月の雑煮のダシとして使う
風習がありました。
吉浜や、八幡海岸では秋になると、丸カイズ針にジンタンを付けた小さなテンヤ釣りで、
立ち込んで竹のビクを下げたチンチン釣り師が多く見られ、たいへん賑わったものです。

また、金谷ウキ、上総ウキ、小次郎ウキ等、ある種工芸的立ち浮きウキ職人が多い事も特徴で、
それがこの地区のフィールドを特徴付けしています。
ノッ込みしか竿を出さない黒鯛師が多く、3月〜5月は他の地域にも増して混雑、活況を呈しています。

フィールドは主に豊富な沖磯と、堤防周りが主体で、立ち浮きと団子釣りが主流です。
地磯は多いものの、比較的浅い場所が多く、本格的に狙えるのは竹岡以南になり、
現在では堤防の釣果が目立っています。
黒鯛の個体数、魚影は実際に釣っていると、非常に濃いように体感します。
生サナギに反応する場所やカラス貝に反応する場所も一部あります。

【南房地区】

洲崎や布良に代表される溝の入った磯や、平砂浦に見られる砂浜に点在する岩場等、
遠浅で波が立ちやすく、内房の小磯とは大きく趣が異なります。
おおむね堤防周りでは春は浮きフカセ、夏〜は団子釣りが主流になっていますが、
やはり、盛夏のスイカ釣りがここでの特徴でしょう。
内房や外房よりもスイカ釣りに適したフィールドが多く、
多種多様な魚種の中から黒鯛を選んで釣る為にはこの釣りは大変効果的です。

【外房地区】

堤防意外で黒鯛を釣る事が比較的難しい地域と言えるでしょう。
勝浦以北では黒鯛の魚影も比較的濃く、釣り易いものの、
どちらかと言えばメジナの個体数が多く、沖磯では季節を問わず、黒鯛は混じる程度。
内房ほど、顕著なノッ込みも見られません。
ただこの地区で大型黒鯛を常時釣り上げる人は、干潮時に出られる磯や、
比較的人の入らない場所に出かけています。

堤防は常時カゴ釣りの釣り人が入り、季節になるとサヨリ釣りなどで混雑します。
アジも周年釣れるので、遠い南房よりもこの地域に人も集中するのです。
したがって、いかにして”黒鯛場”を探すのか?が釣果のカギと言えそうです。


編集部 付記
私有地及び、常識的な範囲で迷惑のかかる場所は紹介しておりません。
基本的な判断基準として、一般誌、専門誌に紹介された場所は良しとしていますが、
できる限り別の角度からの見解、アプローチを試みています。

■内房方面は釣り禁止、立ち入り禁止の場所が多く、
出来る限り情報は新しいものに更新して行きますが、注意して下さい。

黒鯛釣りは推理と勘のゲームであり、”道”でもあります。
少しでもこのガイドが黒鯛と出会う推理の近道になれば幸いです。